電気透析

イオン交換膜 セレミオン®による電気透析の特徴

溶液から成分の分離・脱塩・濃縮・抽出が可能となります。

  • 電気透析は直流電流を駆動力として脱塩・濃縮を行います。
  • イオン交換樹脂のような再生操作を必要としないため、薬剤の使用量を大幅に削減することができます。
  • 非イオン性の化合物はイオン交換膜を透過しないため、有機物と塩の分離が効率よく行えます。

電気透析の原理

陽イオン交換膜と陰イオン交換膜を交互に、その間に2種類のスペーサー(脱塩室、濃縮室)を介して多数組積層し、その両端に1対の電極を配置します。そこで、脱塩室に原液を供給すると陽イオンは陰極(-極)に向かって陽イオン交換膜を透過して右隣の濃縮室に移動しますが、濃縮室の陰極側は陰イオン交換膜で仕切られているために、さらに右隣の脱塩室に移動することはできません。同様にして陰イオンは脱塩室から左隣の濃縮室に移動します。この結果脱塩室では液が脱塩され、濃縮室では液が濃縮されます。

電気透析のプロセスフロー

電気透析では透析槽に液を何度も循環することで脱塩/濃縮を行っていきます。

電気透析の利用例

電気透析脱塩・濃縮は最も一般的なイオン交換膜プロセスで多くの分野で利用されています。

適用分野はこちら

食品・飲料水分野

  • 海水濃縮による食塩の製造
  • 各種食品脱塩
  • 井戸水の脱塩・脱Nによる飲料水の製造

排水処理・リサイクル

  • 各種工程排水の脱塩再利用
  • 活性汚泥排水の脱塩リサイクル
  • 最終処分場浸出水の脱塩

電気透析酸回収

電気透析酸回収はAGCが開発した水素イオン選択透過膜を利用した酸回収プロセスです。水素イオンを選択的に透過し、金属イオンを透過しにくい水素イオン選択透過膜を使用することにより、電気透析での酸の分離・濃縮回収が可能となりました。

電気透析酸回収のフロー図

電気透析酸回収も同様に液を何度も循環することで、脱酸・濃縮を行っていきます。

セレミオン®を使用した電気透析の応用プロセスとして置換電気透析があります。膜種を選択することで対イオンを酸又は塩基に置換することで中性塩からの酸誘導体、塩基誘導体の製造が行えます。アミノ酸、各種有機酸及び塩基性化合物の製造に使われます。